【連載】藤原雄介のちょっと寄り道
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(100 最終回) ここで「ちょっと一休み」 68歳を目前に退職し、自由気儘な生活を手に入れた…筈だった。ところが、私を待ち受けていたのは、「ストレスのないのがストレス」という単調な暮らしだった。 それでも、元々せっ…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(99) 途方に暮れてフィンランド女性のアパートに ヘルシンキ(フィンランド) モスクワではスターリン様式建築の古い、大きなホテルに滞在したのだが、当時の日記帳が行方不明なので、ホテルの名前は不明だ。ただ、薄暗い…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(98) 異国初体験はシベリア鉄道で始まった シベリア鉄道は世界最長で全長約9297㎞、首都モスクワと極東のウラジオストクを結んでいる。1973年当時、ソビエト連邦では、外国人は自由に旅行することができず、「インツーリ…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(97) 大阪発横浜、そして海路ナホトカへ 初めて国外に出たのは、昭和48(1973)年3月のことである。スペインへの旅は大阪駅から始まった。家族や友人たちに見送られ、横浜行きの夜行バスの最前列のシートに身を沈めた。 …
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(96) 青年は荒野をめざ…したのか ▲五木寛之の『青年は荒野をめざす』は数多くの若者を海外に向かわせた 今回は、他愛もない雑談です。読んでいただいても何の役にも立ちません。いくら考えても書きたいテーマが絞りきれな…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(95) ロンドンの野良狐と東京の野良狸 ロンドン郊外ハムステッドの自宅の裏庭には、時々4~5匹のキツネの家族が遊びに来ていた。 休みの日など、3階(英国では2階と呼ぶ)の部屋のベランダから庭の奥の方に固まってあ…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(94) 中国の「野味」と欧州の「ジビエ」 2000年か2001年、台南だったか高雄だったかよく覚えていない。しかし、その時の強烈な食の体験そのものは今も記憶に鮮やかだ。 台湾のパートナー企業KМ社の謝さんと白さんが珍し…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(93) 泣かせてくれる3人の音楽家 どうにも止まらない。山本リンダの曲のことではない。何故だか分からないのに、涙が溢れて止まらなくなってしまう音楽のことだ。私が泣かされるのはクラシック音楽であることが多いが、…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(92) 「…ございます」が氾濫する日本の議会 ▲官僚たちが使う言葉は正しいのか? この連載の79回目「わが南山公園の素晴らしき四季」で、私が代表を務める環境保護ボランティア団体「グリーンレンジャー(GR)」のことを紹…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(91) 近藤正臣の「ひとり暮らし」に勇気づけられた ▲郡上八幡の自宅で猫の奴(やっこ)と寛ぐ近藤正臣(NHKドキュメンタリー「妻亡きあとに〜近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし〜」より) ベランダの窓を背にして現実逃避の…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(90) 日台を俳句で結んだ藤原若菜⑥ 1月18日から始めた若菜が遍歴した俳句世界についての連載も今日で最後です。恐らく辟易しつつも、辛抱強く私の個人的なセンチメンタルジャーニーにお付き合いいただいた読者諸兄姉に心…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(89) 日台を俳句で結んだ藤原若菜⑤ ▲家族で緑島に遊ぶ 俳人・藤原若菜の足跡を辿るこのエッセイは5回目を迎えた。俳句や台湾に興味のない方々にとっては退屈かも知れない、と自責とも不安とも思える感情に捕らわれ続けて…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(88) 日台を俳句で結んだ藤原若菜④ 3回に亘り、「台湾俳句事情」をお届けした。今回は、「台湾好日」と題した春燈の有志メンバーによる台湾吟行と台北俳句会との交流記を紹介しよう。 台湾への思いと、若菜が尊敬して止…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(87) 日台を俳句で結んだ藤原若菜③ ▲太魯閣渓谷の若菜 私が言うのも気が引けるが、若菜の綴る文章は大抵明晰であった。しかし、このエッセイに限っては、文書を読み進めてもなかなか引用符で囲まれた“日本人”とは誰のこと…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(86) 日台を俳句で結んだ藤原若菜② ▲黄霊芝先生の『台湾俳句歳時記』 ▲台北俳句会創立40周年記念の集合写真(2010年12月12日) 前回の「台湾俳句事情(その一)黄霊芝と日本語」では、台北俳句会の始祖である黄霊芝先生に…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(85) 日台を俳句で結んだ藤原若菜① ▲家族で訪れた九族文化村 ▲阿里山への家族旅行 先々週、故藤原若菜の俳人としての軌跡の一部を残しておきたいとの思いに駆られ、後先も考えず思いつくままに書き始めてしまった。いきな…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(84) 俳人・藤原若菜の軌跡 大阪からメキシコ、台湾、英国を経由して白井へ 妻の若菜が令和4(2022)年9月28日にこの世を去った。70歳だった。 彼女は私が台湾に駐在していた平成2(1990)年頃から縁あって俳句を始め…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(83) 地球儀を見ながら考えた さまざまな世界地図 普段、世界地図を見る機会はありますか。あるとすれば、殆どの場合、子供の頃から慣れ親しんでいる日本が世界の中心に位置している以下のような地図だろう。小学校低学年…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(82) 香港にも「けもの道」が、そして… 香港(中国)、コルドバ(スペイン)、ロンドン(英国) ■無数にある香港の「けもの道」 香港の古びた高層ビルの谷間には無数の「けもの道」が張り巡らされている。中には、陽も射…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(81) 銀座の「けもの道」が面白い 銀座(東京) 昔から都会のビルの谷間にひっそりと隠れている薄暗い、細い路地が好きだ。きらびやかな表通りからそんな路地に一歩足を踏み入れるだけで、異空間かと一瞬見紛うばかの混沌…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(80) ボディーランゲージで読み解く国際関係の力学 「身体言語=ボディーランゲージ」は時に口から発せられる言葉より簡潔にして雄弁である。下の写真をご覧戴きたい。2018年6月、カナダのシャルルボワで開催されたG7サ…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(79) わが南山公園の素晴らしき四季 白井市(千葉県) ▲南山公園の北側からの景色 ▲南山公園の夕陽を眺めるのが好きだ 今回は「ちょっと寄り道」ではなく、「ちょっと一休み」したい。 私は朝の散歩が好きだ。ここ2年ほ…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(78) 麺をすするのがオシャレな時代に? 最近、国内外に於ける石破総理の「お行儀」「所作」「礼儀作法」の酷さが山積する政治課題そっちのけで大炎上している。ハッシュタグ「#日本の恥」とインプットすれば、石破総理…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(77) 日独仏蘭が一緒に働くと… アムステルダム(オランダ) 昔から知識人や文化人と称される人たちの「欧米では…」と「欧」と「米」を一括りにする物言いに違和感と嫌悪感を抱いてきた。欧米という言葉は、概ね日本を卑下…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(76) えっ、小学生同士が「あだ名」で呼べない? 白井市(千葉)、銀座(東京) 「名前」について考えてみた。人にも物にも動植物、そして世のありとあらゆる物には名前がある。正確な名前を知らなくても、日本語には「ア…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(75) 残してほしいチョンキンマンション(重慶大厦) 香港(中国) ▲チョンキンマンション――異世界への入り口 チョンキンマンション(重慶大厦)をご存じだろうか。広東語の怪しげな響きが一体どんな場所だろうかと想像力…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(74) 急速に「中国化」する香港 香港(中国) ▲上空から見下ろす香港 かつての同僚T氏から久し振りにメールが届いた。香港空港の無人旅客輸送システム拡張プロジェクトの責任者だったA氏がご夫人と来日するので、一緒に…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(73) 古代が蘇る神秘の島 スコットランドのオークニー諸島(英国) エディンバラ空港を飛び立ったローガン・エアのエンブラエル社製の小型機が、1時間ほどでオークニー諸島の中心メインランド島上空に差し掛かる。すると…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(72) 足元に気を付けて! ロンドン(英国) ▲ MIND THE GAP ! ロンドンで最も耳に残る言葉 MIND THE GAP! (マーィンドゥ・ザ・ギャップ!) ロンドンの地下鉄の駅構内では終日、「マインド・ザ・ギャップ!=足元(の隙…
【連載】藤原雄介のちょっと寄り道(71) ボスポラス海峡の夕陽に乾杯! イスタンブル(トルコ) イスタンブルでは時間は流れず、降り積もってゆく。初めてボスポラス海峡のアジア側から欧州側の景色を眺めた時、そんな言葉が脳裏に浮かんだ。 なだらかな丘…